厨房排気濃度拡散解析事例

■解析概要

 住宅地で経営する飲食店において、厨房排気の周辺住宅への影響は非常に懸念する点である。 ここでは1戸の飲食店と5戸の住宅からなる住宅街を想定し、周辺住宅に対する排気方式の違いによる濃度拡散の影響を確認する。 モデルおよび条件の詳細は以下に記載する。

■解析モデル

図1 解析モデルパース図(左:解析領域全体表示/右:飲食店拡大表示)

■解析条件

表1 解析条件表

図2 風向条件
外気温 25.0℃
厨房排気 排気風量1152CMH
排気口面積0.16m2
排気風速2.0m/sec
排気温度40.0℃
排気濃度(無次元)1.0
外部風 風向無風
飲食店正面方向から
飲食店背面方向から
風速(有風時)1.0m/sec

■解析結果

 図3より、無風のケースにおいて、排気フード下吹きでは、飲食店前の道路地上付近に非常に濃度の高い領域がみられる。 屋上排気ダクト水平吹きでは、地上付近に濃度の拡散はほとんどみられない。
 飲食店正面方向から風があるケースにおいて、排気フード下吹きでは、飲食店前面の道路地上付近に高い濃度の領域がみられる。 屋上排気ダクト水平吹きでは、飲食店背面の道路地上付近に若干の濃度の拡散がみられる。
 飲食店背面方向から風があるケースにおいて、排気フード下吹きでは、飲食店前面の道路地上付近に非常に濃度の高い領域がみられる。 屋上排気ダクト水平吹きでは、飲食店前面の道路地上付近に若干の濃度の拡散がみられる。
 いずれのケースにおいても屋上排気ダクト水平吹きのほうが飲食店周辺の道路地上付近の濃度は低くなっており、 屋上にダクトを延ばすことにより周辺住宅への影響は軽減されることが示された。

図3 濃度分布断面図


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