イタリアンレストラン空調解析事例[夏期：改善案]
■解析概要
レストランを対象とする。
夏期において厨房温度が非常に高くなるため、業務に支障をきたしていた。
そこで最小限の改修で環境改善をおこなうための温熱環境シミュレーションを実施した。
本解析では、現状の解析結果よりレンジフード内の排気量を増やすために吸込みダクトを設置し、ガラリ部分に排気ファンを設置した。
また開放していた厨房の扉は閉鎖した。 モデルおよび条件の詳細は以下に記載する。
■解析モデル
図１ 解析モデルパース図(屋根・北および東側壁面非表示)
■解析条件
| 温度条件 | 外気温度 | 30.0℃ | 夏期，14:00 |
|---|---|---|---|
| 設計温度 | 26.0℃ | ||
| 空調条件 | 吹出風量 | 2,800m3/h | 下向き25度 |
| 吹出温度 | 20.0℃ | ||
| 内部発熱負荷 | 人体 | 1,508W | 58W/人 × 26人 |
| 照明(厨房) | 185W | 15W/m2 | |
| 照明(客席) | 420W | 10W/m2 | |
| 機器(レンジ) | 22,000W | 11,000W/台 × 50% | |
| 機器(ガスコンロ) | 5,500W | 11,000W/台 × 50% | |
| 機器(食器洗浄機) | 150W | 150W/台 | |
| 合計 | 29,763W | ||
| 熱貫流負荷 | ナシ | ||
| 日射発熱負荷 | ナシ |
図２ 吹出・吸込位置(屋根非表示)
■解析結果
吸込みダクト、排気ファンを設置したことにより、レンジフードから漏れ出していた高温空気が抑えられ、
40.0℃ラインが現状の結果よりも厨房天井側にあることがわかる。
また現状の結果において、高温空気が厨房垂壁を越えて客席側に漏れ出していた様子も改善されている。
図３ 温度分布断面図(40.0℃ライン強調)